インタビュー:照明デザイナー ブレンダン・レイヴンヒル
彼のルーツであるメイン州について、フランスにある農場の修復をオンラインで公開しているDIY愛好家たちのこと、インスピレーションを得る場所、そして父親であることについて語ってもらった。
ブレンダンと私は、私の初期のブログを通して知り合い、その頃彼はまだ東海岸に住んでいた。彼は現在、妻のマージョリーと7歳になる息子のアシュリーとともにロサンゼルスに暮らしている。
私たちは最近、彼が東西両海岸でどのように時間を過ごしているのか、彼とアシュリーは何をして遊ぶのが好きなのか、そして父親となった今、どのように物事を見る目が変わったのかについて話を聞いた。
彼は近頃、私も惚れ込んでいる新しい照明コレクション“パール・ファミリー”の第一弾である“パール4”をリリースしたばかり。クラシックな球体のランプを新たに作り変える方法があるとは想像もしなかったが、ブレンダンはこのファンキーで小さな丸みを帯びたスクエア型のシルエットでそれを見事に実現した。
また彼がメイン州の離島に作った小屋とともに、(以前紹介したことがあるが)港に浮かぶサウナはとびきりクールなのでもう一度ここにリンクを貼っておく。
最後に、素晴らしい写真を提供してくれたマドカと、このインタビューを実現してくれたマージョリーに心から感謝する!
平和と理解
ブレンダンは常にアートとクラフトに囲まれてきた。西アフリカのコートジボワールで生まれ育ち、父親がスミソニアン国立アフリカ美術館の主任学芸員になったのを機にワシントンD.C.に移住。アビジャンにあるブレンダンの学校の遊具を作ったのも彼の父親だという。床屋の手描き看板や、今や自宅に何十脚もあるという日常的に使える木製スツールなど、日々の生活に存在するアートを愛し見つけ出すことを彼は幼くして父親から学んだ。
オーバリン大学で彫刻を学んだ後、メイン州沿岸部にある実家の敷地で木骨造の納屋の設計と建設を指揮。2006年には、彼の兄弟とともに非営利の夏期ボート建造プログラムIslesford Boatworks(アイルズフォード・ボートワークス)を創設した。
ブレンダンはその後、南カリフォルニアの盛んなファブリケーターたちのネットワークに惹かれてロサンゼルスに移住。2010年にRavenhill Studio(レイヴンヒル・スタジオ)を設立した。
同じような年頃の息子を持つ父親同士、親になるとたいていの会話がそうであるように、インタビューは父親としての生活を中心に展開された。私自身目まぐるしい日々を送るなか、彼がどのように日々の生活と仕事を両立させているのかを聞いて目から鱗が落ちる思いだった。読者のみなさんも彼の話に啓発されることを願っている。ではブレンダンのインタビューに移ろう!
あなた自身とあなたのクリエイティブなバックグラウンドについて教えてください。
私は職人です。大工、溶接工、船大工として長年働いてきました。現在はロサンゼルスでアーティザナルな照明デザインを専門とするデザインスタジオを経営しています。
一番最初に得た仕事は何ですか?
キャンプカウンセラーです。
今の仕事を始めたきっかけは?
偶然、大学院で栓抜きをデザインしたのがきっかけでレストランを設計するようになり、今の本業である照明器具をデザインするに至りました。
最も誇りに思っているプロジェクトは何ですか?
2006年に私が立ち上げに携わった非営利のボート建造プログラムIslesford Boatworks(アイルズフォード・ボートワークス)と、2010年に設立したRavenhill Studio(レイヴンヒル・スタジオ)。この2つの事業体が今も機能していることは、私にとって大きな誇りです。
どのようにしてアイデアを現実のものにするのでしょうか?
夢を見る、絵を描く、プロトタイプを作る、改良を加える、初回生産する、記録する、再び改良を加える、また記録する、拡大する、といったプロセスを踏みます。
デザイン/アートへの情熱が芽生えたのはいつですか?
子供のころ両親を通してですね。父は美術館の学芸員で、週末は大工兼アーティストでした。私は美術館と木工所で育ったようなものです。
子供の頃、影響を受けた人はいますか?
父とメイン州に住んでいたとき、毎年夏に出会ったアーティストやロブスターマン(ロブスターの漁師)たちです。
インスピレーションを受ける場所は?子供を持つ前と同じですか?
自然の中と、あとはそうですね...今だとレゴでしょうか。
今となっては難しい、父親になる以前に行っていたことはありますか?
自身の技術を鍛える時間を見つけることです。
典型的な一日を教えてください。
インスピレーションを得るために、まずは絵を描くことから1日がスタートします。日中はミーティングとメールに集中して午後はスタジオで何かを作っています。金曜日はミーティングは一切入れず製作に没頭します。
息子さんと一緒に何をして遊びますか?あなたの子供時代と同じですか?
そうですね。絵を描いたり、レゴで遊んだり、物を作ったり。
息子さんから学んだことは?
ビジョンを持ち、それをとことん追求すること。
息子さんが今夢中なものは?
爆丸バトルブローラーズ。
息子さんに見せたい場所は?
アイルランド。
今はもう存在しない好きな人、場所、ものを教えてください。
アシュリー・ブライアン。私の子供時代の憧れの人です。98歳までアイルズフォードに住み、著書、詩、アートを通して多くの人にインスピレーションを与えました。
あなたが息子さんの年齢だった頃と比べて、息子さんのために変わっていてほしいと思うことは?
より平和で理解のある世界。
お互いを心から笑わせたのはいつですか?
朝に時々Silly News(くだらないニュース)という遊びをするんですが、私がラジオ局を運営するふりをして、色んな声を使って違う人の役を演じて息子を笑わせます。
最近読んだ素晴らしい本と、今読んでいる本があれば教えてください。
ウォルター・アイザックソンの『レオナルド・ダ・ヴィンチ』はとてもよかったです。今はビル・コールドウェルの『Islands of Maine(原題)』を読んでいます。
息子さんのお気に入りの本はありますか?
クリス・ヴァン・デューセンの『Circus Ship(原題)』です。
問う価値のある質問:
あなたにとって美とは?
繰り返す価値のある言葉:
才能が努力することを拒否したとき、努力は才能に勝る。
伝える価値のあるアドバイス:
使い切れ、使い古せ、それで間に合わせろ、できないなら無しで済ませろ。
思い切り夢中になったことを教えてください。
フランスの農場を修復したり木造のスループ(マストが一本の帆船)を再建したりする、ネットで見つけたDIY愛好家たちの魅力的なコミュニティにハマりました。でも私が本当に惚れ込んだのは、夏のあいだ丸太小屋や水車を作り、製材所や製粉所を動かしているロシアのユーチューバーです。
これがないと生きていけないというモノは?
ペンと紙です。
おすすめのリンクを5つシェアしてもらえますか?
Jonesport-Wood.com/HullsCove.html
Translation: Madoka Okuda